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外 貨 兌 換 券

 

 中国で1980年から1993年まで発行されていた外貨兌換券は、いわゆる外国人用の第二通貨として、外国でも比較的よく知られている。かつての多くの社会主義国と同様に、中国でも通貨人民元は一般的な外貨交換性がなく、その海外への持ち出し、海外からの持込は禁止されていた。そして外貨兌換券は人民元の外貨との接点として、中国国内での外貨の不法な流通を防ぎ、外貨を適切に管理する目的で発行された。

外貨兌換券の発行

 改革開放が始まった直後の1980年四月、中国の外国為替専門銀行である中国銀行が外貨兌換券の発行をはじめた。通貨人民元に外貨交換性なない状況で、外国との経済、人的交流の拡大によって中国へ持ち込まれる外貨が急増すれば、中国国内での外貨による取引が増え、外貨が流通することになる。中国国内の外貨を管理し、外貨の流通をなくすとともに、外貨を持つものには輸入品や国産の高級品、高級なサービスを提供できるようにしたのがこの外貨兌換券の制度であった。

外貨兌換券のデザイン

 中国の外貨兌換券のデザインは特徴的である。その一つは、モチーフがその当時流通していた第三シリーズの人民元とはまったく趣の異なるものであること。いずれも表面に大きく中国の一流の景勝地の風景が描かれている。裏面には文字ばかりが書かれていることも大きな特徴である。裏面には、中国語と英語で「本券の元は人民元と等価」「本券は中国国内の指定された範囲でのみ使用できる、失っても紛失届を出せない」という趣旨の説明が記されている。

外貨兌換券の変遷と廃止

 外国人用の通貨であったはずの外貨兌換券が、中国人の間では「貴族の貨幣」とよばれ、大変人気があった。外国製品や高級な品物が買え、外貨の価値を代表し外貨への交換も可能な兌換券が、公式には人民元と等価とされていたことがその原因であったことは言うまでもない。多くの中国国民がそれを求めるようになった結果、闇取引が横行するようになった。当局はこれを憂慮し、外貨兌換券を廃止することを検討していると報じられた。しかし、よりよい外貨管理の方法が見つからないようであった。

 発行されてから14年目の1993年12月29日の夜、中央テレビ局は全国向けニュースの中で、中国人民銀行は94年元日から、元の為替レートの一本化など金融制度の改革を実施することを報じるとともに、同日から外貨兌換券の発行を停止する旨報道した。この寝耳に水のニュースを聞いて、外貨兌換券が94年から無効になってしまうと誤解した中国の庶民が多かったという。翌日には北京、上海、広州などの大都会では、多くの市民が大切に貯めこんだ外貨兌換券を貴金属や電気製品、高級な酒、たばこに変えようと外国人向けのショッピング・センターに詰めかけ、長蛇の列ができた。

 

No.

額面

名称

サイズ(mm)

印刷方式

稀少度

1 1角 黄果樹滝 128×48 不明  
2 5角 北京の天伝 134×52 ""  
3 1元 西湖の三潭印月 152×58 ""  
4 5元 黄山 158×62 ""  
5 10元 三峡 164×66 ""  
6 50元 桂林の象鼻山(1979年版) 170×70 "" ★★★
7 50元 桂林の山水(1988年版) 170×70 ""
8 100元 万里の長城(1979年版) 170×70 "" ★★★
9 100元 万里の長城(1988年版) 170×70 ""

 

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